西川家別邸は、大正11年(1922)多摩市域でも有数の
製糸会社を設立した西川伊左衛門によって建てられた。
この建物は当時「お別荘」といわれており、本邸として使われていたものは別に、
接客用に兼隠居所として建てられたものである。
西川家別邸は中神坂、立川段丘の下にありました。
(現在は小金井公園に移築)
西
東
この住宅の特徴としてはまず接客空間と居住空間との明確な分離があげられる。
つまり建物西側の二つの十畳が接客空間であり玄関及び玄関の間、
そして四つの六畳をもつ東側のブロックが居住空間である。
接客空間の二つの間は西側から「一の間」、「二の間」と呼ばれる。
このように客の間を2室の続き間とする点は、近代住宅以来の伝統を受け継いでいる。
客間の裏側に便所を設けている点も、伝統的な民家形式の影響をうかがわせる。