中神の獅子舞
東京都指定・無形民俗文化財
パート6

(1)日枝神社中神の獅子舞。
(2)宵宮の宿。
(3)獅子舞の発祥起原と由来。
(4)美しい道中。
(5)中神の獅子舞を検証する。
(6)熊野神社中神の獅子舞。
(7)中神の獅子舞千秋楽。

歴史ファイルへ戻る

熊野神社おやしろ内から、男坂を上がる、ささら摺り(花笠)

いよいよ、三匹獅子が男坂手前で狂いを披露する。
笛の吹き手がタイミング良く、笛の音色を奏でる。


男坂を上がってきた、ささら摺りと獅子。

四方に張られた縄に添って
ささら6人が立ち並ぶ、
更にタイミングよく、獅子が狂い始める



江戸時代には確立していたと思われる、
美的文化的感覚は伝承されて今に伝えられる。



三匹獅子と簓摺り(ささらすり)の 色彩コントラストは見事なものであります。

中神の獅子舞は関東近辺獅子舞のどこよりも、 その勇壮さが秀でていると評価が高〜い。
中神の獅子舞は昭和から平成の時代、
西川秀彦氏がその原形を頑なまでに守り、
12通りの舞(狂い)が保存されている。

毎年春祈祷では12通りの演目から、7通り披露されいてる。



12通りの舞(狂い)
藤狂い 帯狂い はな懸り 剣懸り 竿懸り 鞠懸り
女獅子隠し 飛び違い 摺り違い 三拍子 笹懸り 太刀懸り

獅子になりきる、本狂いの舞とは?

中神獅子舞保存会を長年に渡り、支えてこられた
中野勝夫さんを取材いたしました。

一徹
獅子舞、獅子狂いを演じると、獅子の魂が宿り、
自分が自分でなく獅子になりきるということですが
それはどういうことなのでしょうか?

中野
ああ・・・これはちょっと、
狂いを経験した者でなければ分らないことなんだな〜
先ず、獅子狂いの構成から話しをしましょうか!

獅子舞(獅子狂い)の構成
(1)出の笛・笛がなり獅子が舞台に登場する。
(2)入れ端・12通りの狂いの演目で4種類の入れ端がある。
(3)狂いのよっては引き回しがある。
(4)前狂い・狂いの中盤で、小手調べといった感じ。
(5)眠り・歌だけの狂いで、おとなしい動きをする。(6種類の歌がある。)
(6)本狂い・12通りそれぞれメインになる場面で、構成としては中・本・後と
   三構成に鳴っている。
(7)終り・終りの歌で締め括る。(歌は全て同じ。)
(8)退場笛・笛がなり獅子が退場する。

一徹
なるほど、獅子舞には基本的な構成があるのですね!
いや〜実に驚きました。
ちょっと、見ただけではわかりませんよね〜・・・

中野
(2)の入れ端は笛がなり、歌が入ります。
簡単に言えば、「おじゃまします」と挨拶をして、
玄関を開けて敷居をまたぐといった感じです。
(3)難易度の高い演目には引き回しがあります。

(4)の前狂いは本狂いの準備態勢のため、
(5)の眠りは呼吸を整えながら心拍数を
落としておいて、エネルギーを構築、蓄えてから
(6)本狂いで爆発させるという感じかな〜。

一徹
よくできた構成ですね。
アスリーター(スポーツ選手)のアップから本番、
クールダウンと同じですね!

中野
まったくその通り、
理のかなった構成だと思うな!

一徹
ところで本狂いの場面ではどのような状態で
何か考えながら演技しているのでしょうか?

中野
獅子が乗り移っている状態で、無我になってる。
長年獅子狂いを経験していると、
本狂いの最中獅子が乗り移った、
トランス状態になっていて、
不思議な感覚で狂うことがあるね。

一徹
そこまで狂えたら、さぞかし充実感があるのでしょうね?

中野
本狂いの最中は無心だから何も考えていない!
だから充実感とかは存在しない訳けなんだな。
簡単に言うと、無我だな。
ま〜後で飲む酒がうまいな!(笑)
これはすぐに経験できることではないけど、
長くやっていると、そういうことも経験できると思う!

一徹
大変貴重なお話しありがとうございました。





棒使いの演技を心配そうに見る、 ささら摺りの少女達、弟が演じてるのかな?



演技を終えて頭を下げる姿勢に
思わず司会の西川芳夫さんも笑みを浮かべる。



三匹獅子が歩調を合わせて狂う場面。

(1)日枝神社中神の獅子舞。
(2)宵宮の宿。
(3)獅子舞の発祥起原と由来。
(4)美しい道中。
(5)中神の獅子舞を検証する。
(6)熊野神社中神の獅子舞。
(7)中神の獅子舞千秋楽。

歴史ファイルへ戻る